次世代のブラウザ『brave』とは?
目次
Web広告をブロックする、トラッキングを防止する、運営者にBitcoinでチップを送れるといった様々な機能を持つ次世代のブラウザbraveについて、その特徴や世界を変える可能性についてまとめました。
braveブラウザの特徴
このエントリを書いたのはbraveブラウザの機能や特徴がとても一言にまとめきれなかったからで、良くも悪くも多くの機能が実装されています。
アドブロックによる高速なサイト閲覧が可能
アドブロック、つまりWeb広告の表示を原則させないことでサイトの表示速度をあげたり、閲覧時のストレスを減らすことができます。
サイトのトラッキングを防止
例えば現在、私たちの多くが使っているSafariやChromeなどのWebブラウザにはCookieと呼ばれる機能でどんなキーワードで検索したか、どの商品をクリックしたかなどの情報が収集・送信されています。例えばAmazonや楽天で閲覧した商品が他のサイトのWeb広告でも表示されるのはこのためです(これは既存のブラウザでもオフにできます)。
筆者的には、自分の思考やニーズに合った広告に最適化してくれる(と信じている)ためむしろウェルカムなのですが、非中央集権的な世界を望むbraveにとっては悪なのでしょう、このトラッキングを防止してくれます。
サイト運営者にBitcoinを通じたチップを送れる
この機能がbraveが他の単なるアドブロックブラウザと違う点で、また筆者がとても共感した機能・理念なのですが、通常アドブロックブラウザはサイト運営者泣かせの代物です。なぜなら頑張っていいサイトを作り価値ある情報を発信してPVを稼いでも、Web広告が表示されなければ大半のサイトは収益がゼロになってしまうからです。
そこでbraveブラウザはそんなサイト運営者に、閲覧者であるユーザーがBitcoinを通じたチップを数十円という少額から送ることができるようになっています。これにより「うざいWeb広告を排除して快適なブラウジングをしたい閲覧者」と「サイトを運営することで収益をあげたい運営者」がWin-Winの関係になる新しいWebの形を目指しているのがbraveブラウザなんです。
サブスクリプションのようにチップの月額上限を設定できる
表現が難しいのですが、通常の単発のチップに加えてbraveでは月額で設定した金額を、各サイト閲覧時間の%に応じて配分するチップの方式もあります。
例えば月額のチップ金額を300円としてbraveブラウザで普段どおりネットサーフィンした結果、月末の時点で「Aさんのブログを20時間、Bさんのブログを5時間、Cさんのブログを5時間」それぞれ合計で閲覧したとします。この場合、300円のチップのうちAさんに200円、BさんとCさんに50円ずつが分配される仕組みです。
一見「時間に応じたチップ」と聞くと昔のパケット料金(死語?)のように使った時間に比例した高額料金を請求されるような誤解をするかもしれませんが、braveは月額のチップ金額をあらかじめ自分で好きな金額に設定できる(もちろん0円も可能)ので、あくまでその中で各サイト運営者の貢献度に応じて公平な分配を行いましょうという世界を目指しています。
Youtubeのアカウントも登録できる
このbraveはブログなどのサイトだけでなくYoutubeのアカウントも登録することができます。
Youtuberの収入源の大部分を占める広告をブロックしてしまうのですからWeb広告と同等の額のチップをもらうにはかなりの人がチップを送らねばならないと思いますが、braveのようなアドブロックブラウザが今後ますます普及していく中で単にアドブロックされて収益ゼロで泣くよりも、まず先にbraveでのチップを受け取れる体制を作って置くことは価値があると思います。
サイト閲覧で仮想通貨を稼ぐこともできる
これは現時点では実装されていないはずですが、braveが認定した控えめな広告の表示のみオンにすることでサイト閲覧時間に応じた仮想通貨を獲得できる仕組みにもなっているようです。
しかしもしこの機能が実装されたとしても筆者は広告をオンにはしないと思います。なぜならbraveが目指す(目指せる)世界はそんなみみっちいものではなくて今までスポンサーにひれ伏さざるを得なかった運営者や閲覧者を自由にすることができると思っているからです。
つまり「サイト運営を続けるためには邪魔だしデザインが損なわれるけど広告を入れなければならない」という運営者と、「Web広告が表示されるのはウザいけど無料で情報収集できるから仕方ない」という閲覧者双方の痛みやストレスを解放する力が、このbrave(というか分散型システム)にはあると思っているからです。
他のアドブロックブラウザとの違い
上記の特徴そのままですが、他のアドブロックブラウザと違ってサイト運営者の立場も考えてWin-Winの関係を目指したシステムにしている点がbraveブラウザの一番の魅力だと筆者は思っています。
braveブラウザのダウンロード方法
braveブラウザはこちらの公式サイトからダウンロードできます。
日本語の詳しい設定方法についてはフリーマンさんの記事がとても丁寧にまとめられているのでお任せします。
braveブラウザでのチップの送り方
実際にbraveブラウザで上記のフリーマンさんのブログに単発のチップを送る様子を撮影しました。
仮想通貨(BAT:Basic Attention Token)による寄付なので、署名やカード番号の入力などの手続きなくスピーディーな送金が可能です。
braveは世界を変えるのか
ここまでbraveの特徴や魅力を私なりの言葉や考えでお伝えしてきましたが、フリーマンさんのブログ始め、他のbraveの紹介記事もあるのにわざわざ自分でも記事を書くのはこのブラウザがもっと多くの人に広まって欲しいと思うためです。
braveの紹介記事の多くも投機目的の仮想通貨としての紹介が多く、分散システム的な新しいWebを見ている人はまだ日本では少ないように思います。動画で紹介している日本人Youtuberもいないようでした。
braveは独自の広告を結局表示することになったりする点などで賛否両論もあり、また機能や目的が多くて人に説明しにくい点などまだまだ改善すべき点も多いと思いますが、1990年からのネットバブルの波とともに育ってきた世代としてはWeb3.0と呼ばれる新しいWeb世界に向けて、もっと多くの人がこのbraveの理念やシステムに共感し、参加してくれればいいなと思っています。